「今日という日は、このために」
 #4 形にあらざる何か

1994年7月、私はインド北部ヒマラヤ山脈の麓に位置するジスパという村で、2週間近くを過ごしていました。あるドキュメンタリー番組の撮影のためです。標高3,200メートルにある人口300人程度の小さな村に、3万を超える人々が集っていました。首都デリーから険しい山…

「今日という日は、このために」
 #2 目を閉じることで見えてくる世界

「風の色」という言葉の意味を、今でも深く考えることがあります。このフレーズは、龍村仁監督の著書「地球(ガイア)のささやき」(角川文庫)の中に記された、ある章のタイトルに使われています。そこには、人生の最終盤を迎えようとしている母親と共に歩く、春を迎えた新宿御苑…